ローファイ日記

出てくるコード片、ぼくが書いたものは断りがない場合 MIT License としています http://udzura.mit-license.org/

eBPF for Rubyist 現状確認(1) - RbBCC の使い方 in March 2020

気づいたら3月に...

このたび、Rubyアソシエーションの助成対象となった RbBCC の開発について、最終報告書を出したのですが、せっかくなのでブログで何をやったかも書いとこうという気持ちです。

udzura.hatenablog.jp

これの話です。

で、サラッと書くつもりでしたががっつりしています。週末プログラミングのお供にでもどうぞ。

RbBCC の話

以前ブログに書いた気がしていたんですが、 hello world が動いた!みたいなことしか内容がなくて、

udzura.hatenablog.jp

今はもうちょっと現実的なツールが動くんで、とりあえず書いて動かしてみましょう。

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mrubyのバイナリコマンドをGitHub Actionでリリースする

あけおめ!

去年やってブログに書き忘れたことをほそぼそ書くシリーズ。


help.github.com

  • mrubyのプロジェクトでCIでビルド・テストを回したい
  • バイナリを作成するツールなので、バイナリのリリースも自動でやりたい

こういう時の設定例です。

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CRIUをラップしてより簡単にプロセスのチェックポイント/リストアをするツールを作った話

Linux Advent Calendar 2019 12日目の記事です。

qiita.com

今日はCRIUに関わる自作ツールの話をします。

CRIU って?

Checkpoint and Restore In Userspace の略で、プロセス(や特殊なプロセスであるところのコンテナ)の動いているメモリ状態などをイメージにダンプし、またそのイメージからのリストア起動を実現するLinux向けのツールです。

詳細は、 TenForward さんの記事が詳しいです。

gihyo.jp

任意の状態のプロセスのセーブポイントや、 kvm などでいうライブマイグレーションのような用途での利用を想定しているようです。

で、この技術、やれることはとても魅力的なのですが、使い方がかなり難しいことでも有名です。

雑にプロセスを立ち上げてそのPIDをダンプしようとしてもエラーが出たり、

$ sudo criu dump -t 25010             
Warn  (compel/arch/x86/src/lib/infect.c:280): Will restore 25011 with interrupted system call
Warn  (compel/arch/x86/src/lib/infect.c:280): Will restore 25018 with interrupted system call                              
Error (criu/tty.c:1859): tty: Found dangling tty with sid 5228 pgid 25010 (pts) on peer fd 0.
Task attached to shell terminal. Consider using --shell-job option. More details on http://criu.org/Simple_loop
Error (criu/cr-dump.c:1743): Dumping FAILED.

言われた通り --shell-job をつけてもリストアでまたエラー。

$ sudo criu dump -t 25010 --shell-job
Warn  (compel/arch/x86/src/lib/infect.c:280): Will restore 25011 with interrupted system call
Warn  (compel/arch/x86/src/lib/infect.c:280): Will restore 25018 with interrupted system call
$ sudo criu restore
 25058: Error (criu/tty.c:412): tty: Found slave peer index 1 without correspond master peer
Error (criu/cr-restore.c:1457): 25058 killed by signal 9: Killed
Error (criu/cr-restore.c:2333): Restoring FAILED.
$ sudo criu restore --shell-job
pie: 25058: Error (criu/pie/restorer.c:1811): Unable to create a thread: 25060
pie: 25058: Error (criu/pie/restorer.c:1951): Restorer fail 25058
Error (criu/cr-restore.c:1454): 25058 exited, status=1
Error (criu/cr-restore.c:2333): Restoring FAILED.

エラーも見慣れないもので何もわからん...。ちなみに、ホストのプロセスをダンプする場合、 PID含めて リストアしようとするため、そのPIDがすでに別のプロセスに取られていた場合そもそもリストアができない(回避方法はないようです...)などの問題もあります。

また、 images-dir などの必要な設定など、いろいろな規約を自分で決めたり、ちょっと触りたいだけではなかなか面倒な印象を持つかもしれません。

やりたいことは普通にプロセスの状態のスナップショットをとって、戻したりしたいだけなのに...。

LXD のような場合は実は標準の checkpoint コマンドを経由することもできますが、「普通にVMで立ち上げてるアプリやプロセス」の場合は周辺の準備が面倒そうですよね。CRIUは基本的に非常にレイヤの低いオプションやAPIを提供するので、現実の用途のためには色々とラップする必要が出てきます。

ということで、普通のプロセス向けに、こういうツールを書いています。

github.com

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参照先を更新する関数をPython/Rubyのffiで扱うには

諸事情Python の ctypes のコードを Ruby の fiddle に移植しているんですが、どちらもだいたい同じことができる、一方APIなどの設計思想が違う、みたいな感じで興味深いです(興味深い)。

今回ctypesで普通にやるような、「参照先を更新する関数」の呼び出しがfiddleの場合ちょっと癖があったのでメモ。

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