去年より開発している、mrubyでコントロールできるLinuxコンテナランタイム Haconiwa で、第9回フクオカRuby大賞・県知事賞をいただきました。
写真は受賞決定直後の様子です。
今日の福岡Ruby大賞で @udzura さんが大賞で100万円とったという速報とともに送られてきた写真見て「うづらさん怒られてるの?」ってslackに書いた自分の書き込みがツボって仕事にならなかった。おめでとうございます! #udzura_sushi pic.twitter.com/7zGKUyvj5K
— 松本 亮介 / まつもとりー (@matsumotory) 2017年3月1日
Haconiwaの開発にあたって
去年の振り返り で書いた気もするんですが、そもそもの大きなきっかけとして福岡開催された 第9回 コンテナ型仮想化の情報交換会@福岡 の存在がありました。主催(のみならず大量の日本語によるコンテナ情報を提供してくださっている) id:defiant (@TenForward) さん、勉強会で初めてお会いし、またスライドで自作コンテナの世界に誘ってくださった id:y_uuki さんに感謝します。
また、Haconiwaというソフトウェアは、福岡という地に育てられたなあという感慨があります。
初期から実験してくれたFukuoka.rbの皆さん、特にベアメタルのDebian sid(しかも日常の開発機)に超初期のHaconiwaをインストールしてフィードバックをくださった id:minimum2scp さんや、ペパボ福岡支社+CTLのメンバー、中でも検証しまくって実際にコントリビュートまでしていただいた id:pyamax さん、何よりRubyKaigiのCFP応募の段階から色々と相談・アドバイスをいただき、Haconiwaのコアコンセプトを固める上で非常にお世話になった id:matsumoto_r さんにもお礼を申し上げます。
そしてもちろん、妻子にも感謝を…。
所感
Haconiwaは、開発していて、また触っていて非常に面白いツールであるという自負があります。
Haconiwaを開発したことで、アーキテクトとしてのぼくの価値観は少し変化をしました。昨今、書籍「Infrastructure as Code」に描かれているようにダイナミックインフラストラクチャプラットフォームが全盛であり、コードによりインフラやアーキテクチャを制御するという考えは一般的になってきています。その上で、実は、サーバ同士の関係ももちろんですが、サーバ 自体 ももっと固定的でないもの、「柔らかい」ものとして捉えることができるのではないかと、Haconiwaを通じて思うようになりました。
柔らかい、というのは、意外と壊れやすいという弱点もあるかもしれませんが、そういう側面よりも、もっと固定観念にとらわれずにサーバで面白いことができるのではないか、という側面の方が興味深いなと思っています。
ぼくにとってのコンテナはそういう、「柔らかい」サーバそのものだという位置付けになりました。
そういう意味では、その観点に気づけたというだけでもHaconiwaというソフトウェアに「出会え」てよかったな、と思うのですが、それがこうしてしっかりと評価された(それもMatzに!)ということは非常に光栄に思います。
一方で、実際にはHaconiwaを通じてやりたいことについて、まだ全部のうち半分、いやそれより小さな範囲しか実現できていない、道半ばだという気持ちもあります。引き続き、開発を続けていく次第です。
未来
Haconiwa自体のコミット自体は(一旦は)少し落ち着いています。その分、周辺のエコシステムや利用方法についてのディスカッション、そして様々な開発をしているところで、まだまだ新しいコンテナの世界を見せることができればなあと思っています。
その一つとして、サービスへの応用があります。以下は、ペパボのあんちぽくんのNewsPicksの記事です。
この記事の後半でHaconiwaも紹介されていますが、Haconiwaの「柔らかさ」で、既存の価値を生かしつつ、ユーザの皆様に新しい世界を見せられるようなことをしたい、と考えています。そして実際に、ペパボ福岡支社に集まるエンジニアたちでワイワイと手を動かしています。現在は、さらなる成果を徐々にお見せできるよう努力しているところです。
天神西通りがホスティング界のアビーロードと呼ばれる日も近い… いやすいません、言い過ぎかもしれませんが、それくらいの勢いを出してやっていっています。
(ちなみにその勢いに人手が追いついていない!!1というところがあり、この場を借りて求人のお知らせをします。 福岡開催のペパカレ もありますが普通に、お気軽にいろいろお話を聞いてください)
まとめ
ということで、自作コンテナ坂をまだまだ登り続けたいと思います!!1
最後の最後になりますが、ドキュメンテーション(英日どちらもOK)や、あとインターネットでの技術記事などに興味のある方を緩くお待ちしております。
引き続き、Haconiwaをよろしくお願いします!!