ローファイ日記

出てくるコード片、ぼくが書いたものは断りがない場合 MIT License としています http://udzura.mit-license.org/

2016年をまとめる

前回の記事で2015年までの振り返りを振り返るなどしたので、いよいよ今年を振り返ろうと思う。割とお仕事寄りで振り返る。

udzura.hatenablog.jp

人間たちへの研修との関わり

ペパボの新卒研修はおかげさまで一定の評判を得ているようだが、一環として5月に「福岡研修」というものを行う。今年はその取りまとめをした。

これはその時に行った海です。

www.instagram.com

「番長」という漠然とした立場でかかわったが、その実態は:

  • 研修のゴールを決め、各メニューの大枠を考え、効果を測定するプロダクトオーナー的何か
  • さらにメニューの各枠について福岡支社の人々を巻き込み、指示を出してるくってもらうプロジェクトオーナー的何か
  • さらに新卒一年目の人々の様々な思いをフォローアップするメンター的何か

こうやって書くとどうやって一人でやったのかよくわからない感じもするが、結果は反省点はあれど失敗という感じではなかったようだ。

さらに言うと、「福岡研修」の段階では職種別の研修メニューを行わないのが常で、今回も総合職、デザイナー、エンジニアに共通のメニューということで、様々な座学、ディレクター業務体験、CS体験研修などをやっていった。まあ、なんだかんだウェブ系の中の人が長いので他の職種の皆さんの動きも想像したり、フォローしていただいたりでまとめあげた感じ。

さらに、10月には「ペパカレ」に関しても番長業務を行う。

何をしたかは kymmt と qkake が書いた記事に詳しい。

tech.pepabo.com

こっちはがっつりエンジニアとしてエンジニアのための研修を考えた。上でも言及されてるけどフロントエンド等もなぜか僕が調べて教えたりしたのだが、正直「一期生」の皆さんの優秀さに助けられたと思う...。


これらの動きについては、今年頭にあんちぽさんに「うづらさん、やりませんか」と言われて引き受けて、それで一応形にしたわけだが、そもそも的になんでできたかというと一番大きいのは、大学のサークルの経験が今さら役に立ったような気もしている。

僕が所属していたサークルはいわゆる「子ども会」で、毎月2回*1小さな人々のための遠足やレクリエーションを考えたり、あと100人前後の小さな人々をキャンプに連れて行ったり、同等の規模で年2回程度一日レク大会を考えたりするなどの活動を行っていた。なんかこう書くと僕の子どもをこのサークルの人々に預けるのはだいぶ心もとないw*2

ともかく卒業生は、まあ普通に先生や保育士を目指す学生としていい経験をするのだが、そういう業種に全然関係ない僕や僕の大学の同期についても、例えばコンセプトから落とすタイプの企画力、コミットメントがバラバラの人たちをまとめる調整能力、マネジメント能力、危機管理能力などが身ついたような気がするので、なんかその辺の経験が今回かなり生きた気がするのだ...。

逆に今年この辺りの動きについて、大きな反省点は、こういう感じで自分の経験と感覚でやっつけてしまったので「どうやって一人でやったのかよくわからない」ところが全てだと思う。来年以降スケールさせるために色々と動き始めてはいるが、果たして。

コンテナ技術、そしてHaconiwa

テックにもう少し寄った話、今年はmrubyによる自作LinuxコンテナランタイムHaconiwaをリリースし、RubyKaigi 2016でも発表をした。

udzura.hatenablog.jp

rubykaigi.org

遡ると、延期の結果今年頭に開催された「第9回 コンテナ型仮想化の情報交換会@福岡」と、 id:defiant さん(@TenForward さん。最初はてなIDを間違え失礼しました...)との出会いがHaconiwa開発の大きな契機であった。

udzura.hatenablog.jp

この勉強会の前後、今年の前半は Sqale の手伝いをしていて、そのネタで発表もしたりしたわけだけど、全体的なお仕事としては研修のほかはあまりバリューを出せた実感がなく、実は割と落ちた感じで7月を迎えていた。けれども、Sqaleの中身に向き合ったことはなんだかんだで今年後半の展開に生きたようにも思う。

そういう中6月に初めてHaconiwaのPoCが動作した。

その後の開発のタイムラインなど。

  • 6月にHaconiwaをCRubyで実装
  • 7月にはmrubyでの書き直しが一通り終わった
  • 9月にRubyKaigiで発表
  • ペパカレを挟み、11月に id:matsumoto_r さんと一緒にコンテナとしてどこまで使えるか検証開始。その際提案を受けてafter_spawnあたりのフック文法を入れたりした。
  • 12月最終営業日にDocker compose的な機能のドラフトを打ち込む

最終的に、Haconiwaは、年末のツアーや、来年以降の動きにもつながっているような感じがするので、今年前半の借りを後半で少しは返せたかな?という感想である。

まとめ: やっぱり“One Love”だね

ところでペパボの技術に関わる人間の代表である、「あんちぽくん」のエントリがある。

blog.kentarok.org

“One Love”というのは僕の解釈では、「いかに自分のこととして考えられるか」が重要だと思っている。対義語は、「自分の仕事じゃない」とでも言えようか。

今年に入って、そういう自分の中での壁を作る行為というか、自分の限界を勝手に自分で決めるような発想をなるべく殺すように心がけてきていた。研修の話なども、去年の自分であれば「自分の仕事じゃない」と断っていたかもしれない。

また、僕は松本さんのエントリにあったように、今年に入ってからC言語に触れ、mrubyのCレベルAPIを習得し、結果的にHaconiwaのようなソフトウェアを開発した。このようなC言語であったり、Linuxカーネルの機能に深入りするような開発は、以前までの自分であれば確実に「自分の仕事じゃない」と考えていたと思う。

今年はいろいろな出会いや偶然もありその壁を少しだけ壊せた気がしている。

これは一つには、リエントラント可能な松本さんこと id:matsumoto_r さんの、研究者として/エンジニアとして自分の限界を常に超えていくような働きを、まさに間近で見ることができたのが大きいだろう。

来年は自身と、チームと、ペパボのさらなる成長のために、また新たなる壁を壊していければと思っている。

最後に

今年(も)行ってよかった店を挙げて、この記事を有益なものとして締めたいと思います。


やゆよ @ 今泉 の穴子天丼、穴子が剣のように刺さる。

ホッとしたい時に行くうどん松島 @ 赤坂。

社でのとっておきランチ、「やばい寿司」こと、博多魚旬、これも赤坂。

バキン @ 長浜。天神は良いカレーが多い。

Pizza REVO @ 薬院の圧倒的コスパ

ついに行くことができた かわや白金店の様子

今年も30回ぐらい行ったマヌコーヒー。引っ越しで利用店が春吉店から大名店になった。

そして、今年は北九州 三ケ森の「ラーメン工房龍」にもついに行けたんですが、これ福岡県で一番好きなラーメンだと思う。


よいお年を。

*1:企画のために実質2週間しか用意されていない、しかもコンスタント、であるところに留意されたい

*2:サークルの歴史自体は学生運動直後ぐらいからあり、その時から脈々と進歩を遂げてきた安全衛生その他のマニュアルが存在するなどの安心感はある。とはいえ自分が活動に出向きたくなりそうw